パフォーミングアート

いつもは、直接会って、飲んで、話し込んで、練り上げて

 

笑って・・・

 

そういうメンバーと、今、直接会うことはできません。

 

それは皆さんと同じです。

 

僕らは、人を喜ばせたくて、この仕事をしている。

 

だから、「女王がいた客室」が中止になり

 

それから、未発表だったけど、中止になった作品やイベントも数々。

 

人を喜ばせたくて、この仕事を選んだのに・・・

 

何もできない。

 

辛かったです。

 

山寺さんと電話で話していて「何かやりたいね」と言われた時

 

すぐに飛びつきました。

 

みんな、思いは同じだったんでしょう。

 

作曲には、HYPNAGOGIAやエル ガレオン、シェーヴルノート、MARS RED、信長の犬など、数々の藤沢朗読劇の作曲を手掛けた村中俊之

 

 

 

タイトル(題字)には、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の題字を書いている中塚翠涛先生

ちなみに、「龍が如く」の題字もやっていらっしゃるので、秋山のCVだった山寺さんとはすでにコラボしているんですよね。

 

さらに、チーム村中の凄いオーケストラが参加しました。

 

中嶋康孝 アコースティックギター

羽鳥美紗紀 フルート・ピッコロ

安田菜々子 クラリネット・バスクラリネット

安田健太 ホルン

山崎千裕 トランペット

東條あづさ トロンボーン

城元絢花 ヴァイオリン

村中俊之 チェロ 他

 

プロフィールを見て頂ければ分かると思うのですが、全員超一流の音楽家です。

 

編集を手伝ってくれたのは、山寺さんのお友達でシンガーソングライターの坂本サトルさん

 

彼らもまた、皆様の前で演奏することが叶いません。

 

み〜〜〜んな、きっと、僕と同じ思いで部屋にいたのだと思います。

 

人生で初のリモートにより、創作活動が始まりました。

 

山寺さんとどんな物語が良いかを、ラインの動画通話で相談し

 

僕は、「子供は少し背伸びできて、大人は童心に戻れるような作品がいい」と言って、このBaker’s Clockを完成させました。

 

100%オリジナルの物語です。

それを山寺さんに送ると、信じられないことに、山寺さんはiPhoneでこの朗読を収録しました。

 

村中くんは、その朗読からインスピレーション得て、作曲し、シーンごとに音楽を当てはめてゆきます。

 

今日まで、何度も音楽朗読劇やTVアニメを作ってきたパートナーですからね。

 

阿吽の呼吸で、素晴らしい楽曲があがってくる。

 

でも、さらに良くするために、何度も、ビデオ通話しました。

 

最初は、村中くんのチェロとピアノくらいを考えていました。

 

でも、村中くんの声がけで、一人、また一人と音楽家が集まってきて

 

楽器を奏で始めました。

 

集まってくれたのは、いつも藤沢朗読で演奏をしてくれていたみんな。

 

今は、離れ離れです。

 

全員が、それぞれの家で演奏した収録音が、村中くんのもとに集まってきました。

 

それを、村中くんが編集して、この作品が出来上がりました。

 

Youtubeにする時、映像はどうしようかという話になりました。

 

写真や絵を入れるという案は、最初からありませんでした。

 

Baker’s Clockがどんなカタチのどんな音を出す楽器なのか

 

それは、皆さんに想像してほしかったんです。

 

そこで、ふと思ったのは友人の書道家である中塚翠涛先生でした。

 

「今のNHK大河ドラマの題字を書いてる人は、流石に無理でしょう(笑)!」

 

って、話にもなったんですが、無理は承知で、この作品を送ってみたら

 

なんと、2日で「書」が送られてきました。

 

中塚先生らしい、可愛らしくて、ユーモアがあって、長く見ていても飽きない

 

そして「色々なBaker’s Clockが想像できる書」に感動しました。

 

坂本サトルさんは、それを動画として完成させてくださいました。

 

そうなんです

 

この物語のラストさながら、一人、一人とBaker’s Clockの周りに集まってきて完成したのです。

 

山寺さんの、「何かやりたいね」という言葉から始まったこのプロジェクト

 

大好きな皆と、離れ離れのまま完成しました。

 

今、どんなに離れていても、何年もずっと仕事をして、心を通わせ続けてきたからこそ

 

リモートになったって、自分たちの仕事ができたと、僕はそう思っています。

 

完成して、昨日、リモート飲み会をして乾杯しました。

 

いつもの笑顔がそこにありました。

 

僕たちはまだ、部屋にいます。

 

部屋にいる僕たちが、部屋にいる皆様の心の支えの一部になれれば

 

実は、僕たちが一番救われるのです。

 

この物語を聞いている皆さんの顔を想像しながら・・・

 

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